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July 10, 2008
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junichi ikeda

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システム改変の発想

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July 10, 2008 12:22 jst
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日常チェックしているポドキャストの番組?の中で、National War Powers Commissionによる、アメリカ政府における戦争権限についてのレポートのことが取り上げられていた。

ちょっと気になったので、調べてみたら、当のCommissionのCo-chairを務めた、ジェイムズ・ベーカー・サード、と、ウォーレン・クリストファー、(ともに国務省長官経験者)によるOpEdがNYTに掲載されていた。

個人的に関心をもったのは、大きくは二点。

第一に、アメリカの場合、このように、折に触れて、自分たちの統治システムに関する是非について、議論が交わされ、システムそのものが鍛え上げられていくこと。

今ひとつは、そのシステム改変の議論がしばしば行われるため、今あるシステムが未来永劫有効だというような幻想に囚われることがないこと。

要するに、政府や統治システムは、人が作った、一種の人工物であり、状況に応じて、変えてしかるべき、という発想が基底にあるところ。

たとえば、同じタイミングで、今、FRBのバーナンキ議長が、アメリカの中央銀行に相当する、Fedの監督権限や機能について、変更の可能性を指摘している(たとえば、この記事)。

こうした、システム改変の発想は、アメリカの社会システムの隅々にまで浸透しているので(それには彼らの法執行システムが大きく関与しているのだがそのことはまた別の機会に)、たとえば、情報通信分野についても、同様のシステム変更がそろそろ行われるのではないかと思っている。

ただ、その場合も、目の前にある事実に基づきながら、さしあたって理想とするべき方向を見据えながら、システム改変に向かうだろうし、そのための資源(ツールや人材)もきちんと再生産しているところは、アメリカのよいところだと思う。なんであれ、物事に対峙する時の姿勢が、「経験的」というか、「臨床的」なのだ。