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January 11, 2008
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junichi ikeda

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"It's the economy, stupid!"

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ニューハンプシャーのプライマリーでは、デモクラットはヒラリーが、GOPはマッケインが一位。
オバマは大接戦で二位にとどまる。

今後は、中西部のミシガンや、西部のネバダ、南部のサウス・カロライナ、へとプライマリーも散っていく。アイオワとニューハンプシャーで、主立った候補がはっきりしてきたので(要するに全米規模でのお披露目がおわったので)、ここから先は徐々に政策に関わる話も報道されていくことになる。それで中西部や南部の製造業・一次産業地帯に舞台が移ることで、昨年のサブプライム問題から端を発した、アメリカ経済の舵取りが問題になっていく。一部で、economic populismといわれているように、人々の生活に関わる問題が前景化してきている。こういうところは、国の違いがあまり関係ないところ。ただ、日本と違って議論の土台が、マクロな視点できちんと議論されていくところが興味深い。

ところで、デモクラットは民主党のことだけど、日本にも民主党ができてわかりにくくなったのと、余計な誤読を引き起こしそうなのでデモクラットと呼ぶことにします。日本の民主党は保守のカテゴリーにおかれるので。この「保守」のニュアンスも米日では異なるので(このあたりは佐々木毅元東大教授の文献あたりを参考にしてください)。

それから、GOPはリパブリカン(共和党)の通称で、Grand Old Partyの略。ニュースではこの方が多いように感じるのと、上の民主党の扱いとも関わるけど、「共和」党っていっても「共和」の意味がわかりにくいから。むしろ、記号的にGOPといっておいたほうが、デモクラットとの相違点を明らかにできるように思うので。

要するに対決姿勢のある二つの政党があって、今、そこで大統領候補を選んでいる最中であること。ただ、政治的には、両者に無前提に所属しないindependentという層がいるということ。このindependentも日本の報道だと、「無党派層」という表現になりがちだけど、これもニュアンスが異なる。今、予備選の背後で関心を集めている動きとしては、independentとして、ブルームバーグNY市長が、大統領本選に出馬するかどうか、ということがあって、日本でいう「無党派層」がじゃ「無党派党候補」なんて自分たちで擁立しないから。

かように、なんとなく言葉で理解した気にならないように、宙ぶらりんな理解にとどまるようにあえてしておくことも大事なところ。