American Prism XYZ

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junichi ikeda

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アメリカのことではなく日本のことには触れないのか、
という疑問もときどき聞かされるのですが、
日本のことは書くのが難しいと感じています。
 
留学を終えて帰国した頃は、
アメリカと日本のズレを「埋める」ことを旨にして、
いろいろと取り組んでいこうと思ったのですが、
ある意味現場復帰したこの二年間の経験では、
どうもこのズレは埋められるようなものではなく、
単純に日本では二つの基準がパラレルに走るにとどまる、
というのが、実感です。

二つの基準とは、
 日本的なものと、
 アメリカ的なもの(≒海外的なもの)、
のことで、これは水と油のようにまじわらないな、と。

特に、メディア・コミュニケーション産業ではこれは顕著で、
多分、ITとメディアはこの先も当分の間は、
別々の道を歩むのだろうな、と感じています。
(少なくともアメリカで大きく構造が変わらない限り)。

まだ、自分でもすっきりした形で
この状況を説明することができないでいるのが現実です。
世間一般では、これを簡単に、
半ば強引に(最近でいえば佐藤優風に)、
「新自由主義への潮流とそれへの抵抗」
などと図式的に語るのですが、それもどうも違うように感じています。
そのように語れてしまうのは、あくまでも「統治する側の視点」
「統治することが生業」の人々の視点で、
典型的には役人や学者といった周辺にいる人たちの言い方です。
しかし、一応は当事者・関係者として、
内在的に見たらどうなのか、にこだわりたいと思います。
(もっとも、アメリカの経営者、正確に言うとボードメンバーは、
「統治する側の視点」をもつことも必要要件の一つなのですが)。

ということもあり、しばらくの間は、
アメリカをもう一回ちゃんとウォッチするということを
心がけていこうと思います。