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焦燥感漂うニールセン?

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Nielsen Plans to Track Viewership Of TV Commercials for First Time

【July 12, 2006: Wall Street Journal】

ニールセンが、テレビCMのアクチュアルの視聴率の測定に乗り出す、ということ。

*****

今までは、番組の視聴率をもってCMの視聴率を代替させていたのを、CM自体の視聴率をとる、というもの。

ここのところ、ニールセンは新しい測定計画をいろいろと発表しているが、いずれも、インターネットの方でpay-per-clickのような商慣習、つまり、アクチュアルな数字、実績を使って広告取引をする習慣が新たに定着してきたため、広告主からの要請・疑問が増えていることが第一の理由。

そして、そうした状況下で、ニールセンがやらなければ、他の事業者が行うかもしれないという恐怖感が第二の理由。

さらに、そうした未来への不安に対して、きちんと手当をしないと親会社の株式市場での評価が下がってしまう、というのが第三の理由。

もっとも、アメリカの場合、この第三の理由のために、計画される発表が往々にしてフライング的なものであることも計算しないといけないのだが。未来に関する一種の情報戦を展開するために、観測気球を上げるのが常道手段ということ。いずれにしても、日本ではこうした慣行はまだないのだけれど。

情報戦としての第三の理由はさておき、第二の理由までのところは、実際の営業戦略にも通じるところ。テレビ市場率については独占企業であるニールセンも、ネットの時代には足下をすくわれかねない、という恐怖感の表れ。新たなネット系メディアは、ユーザーの接触を測定できる立場にある企業が多数ある。機器メーカーでもいいし、サイトの運営者でもいいし、通信事業者でもいいからだ。