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Nasdaq pays £448m for key LSE stake
【April 11, 2006: Financial Times】
Nasdaqがロンドン証券取引所(LSE)の株式を14.99%、取得した、という話。
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証券市場が自ら株式会社として上場する、というのは、米英では普通のことになってきている。背景にはあるのは、90年代の情報技術の革命的発展によって、金融市場自体が一つの大きな情報システムへと変貌しつつあるから。
従来は、金融資産の市場はそれぞれ個別にあった。例えば、株式市場、債券市場、商品市場、・・・、こうしたものが電子取引という方向によって一つにまとまろうとする。さらに、こうした有価証券そのものを集積させて、原理的には任意のリスク・リターンの分配を行うような二次的な金融商品の開発も一方でおそろしい速度で進んでいる。
だから、市場からすると、こうしたシステムへの投資をどこよりも早く行わねばならない。そのためには、資金が必要で、だからこそ、自らも上場するし、互いにM&Aも行うことになる。
株式市場自らがそこで売買される有価証券として売買されるというのは、極めて自己撞着な動き。けれども、それがまた、一方で、ルーマンなどの社会学者いうところの、社会システムの自己参照性を体現した動きともとれる。
そして、情報が流通するという点で、こうした動きは、一つの限界事例として、コミュニケーション産業の未来を暗示する何かを持っているように思える。