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News Corp. NamesHead of StrategyFor Internet Deals
【January 4, 2006; Wall Street Journal】
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33歳の若手をインターネット部門のトップにして、ニューズ・コープは、インターネットの中でのプレゼンスをあげようとしている、というので、この記事はすべてなのだが、いろいろ面白く読めるので引いた。
第一に、こうした事業部門のトップ人事は、アメリカではよく報道される。とりわけ、コングロマリット化された企業の場合、各部門のトップは事実上、子会社社長のような人事で、その子会社が上場企業なら当然、市場に伝えられるべきものだから。
第二に、ニューズ・コープが、プリントメディアの限界に見切りをつけ、急速にインターネットに進出しようとしていること。グループ総帥のルパート・マードックは、ブログを中心としてインターネットジャーナリズムがそのフレキシビリティからプリント・ジャーナリズムにとってかわる、という講演をするなど、グループの出発点だった新聞に見切りをつけている。実際、アメリカでは、新聞の販売数が減少傾向に入っている。マードックは、イギリスのBSkyB、アメリカのDirecTV、というように、衛星放送をグローバルに展開させているわけだが、この多チャンネルサービスも、ブロードバンドからのプレッシャーを受けるようになっている。この点もインターネットでのプレゼンス作りに懸命な理由のひとつ。
第三に、インターネット部門のトップに着くJeremy Philipsは、ハーバードのケネディスクール卒の33歳。マッキンゼー経由でニューズ入りしたようだが、メディア業界は単純なビジネス要素だけではすまないところがあるので、彼のように政策大学院やロースクールの出身者がトップを務めることも多い。制度的なもの、公共的なものとの折り合い、が重要だったりするからだ。もちろん、政府との人的コネクションというのも大きい。