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Wall Street Journalが今年で二度目になるベンチャーキャピタルの投資先スタータップのリストを発表した。最近のウェブバブルに向かうような空気を反映してか、やはりウェブ関連、しかも、消費者向けサービスの会社に対する投資が多いようだ。
The Top 50 Venture-Backed Companies
【Wall Street Journal: March 10, 2011】
Web Start-Ups Get Upper Hand Over Investors
【Wall Street Journal: March 10, 2011】
ウェブに直接焦点を当てていないスタータップには、ヘルスケアやB2B向けのサービスなどがあるが、いずれも、大なり小なり、ソーシャル・ネットワークやモバイルを組み込んだものになっているということだ。
記事中にある、リスト化に当たって必要となるスタータップの条件は、過去3年間で10億ドルに満たない株式発行によるファイナンスをした会社であること。より小さな、しかし、今後可能性があるとみなされているスタータップを見出すために、このような要件をつけたということだ。たしかに、株式調達額に上限を設けないと、それこそ、FacebookやTwitterのような未上場企業がリストの上位を占めてしまい、このようなサーベイを行う必要がなくなってしまう。
トップに選ばれたのは、サンフランシスコにあるCastlight Health Incというヘルスケアサービスの会社で、どうやら利用者が医療支出を最適化するために、いろいろと情報の比較ができる会社のようだ。昨今のヘルスケア改革の動きを反映した投資先のひとつということなのだろう。
記事についている50社のリストをざっと見た範囲では:
ウェブ関連としては、ワイヤレスとデータマイニング系が多い。
所在地としては、圧倒的にカリフォルニアが多く、時点がニューヨーク。とはいえ、イリノイやジョージア、テキサス、ワシントン、といった地域の会社もある。
創業は、2003年前後くらいが目立つが、なかには、90年代後半に起業したところや、極々最近に起業したところもある。
総じて、ウェブ系の企業については、カリフォルニアへの集積が進んでいる、ということはいえるのだろう。
リストをよく眺めると、いろいろ発見したり、気付いたりできそうな感じがする。