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Private Equity May Face Snags In Media Hunt
【October 27, 2006: Wall Street Journal】
ここのところ、PEファンドがメディア企業に触手を伸ばしている、という記事。
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目下の対象は、
新聞・テレビ企業グループのTribuneと、
ラジオ大手のClearChannel。
PE業界により資金力のあるヘッジファンドが参入、というファンド側の理由と、
メディアセクターは、ネットへの対応を合わせて経営リストラの余地がある、という理由と、
公開企業であるよりも未公開企業にしたい、というメディア企業のオーナー経営的性格、という理由が、
うまく交錯するところでこうした動きが活発化しているように思う。
PEファンドの買収は、オペレーションのシナジー効果を主に狙う戦略的買収ではなく、金融利益の獲得を狙う金融的買収なので、大体2-3年の間にリストラを進め、再度上場や同業他社への売却などの形で、イグジットするのが必要になる。
いわば、「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」のような、積極的コミットによる人為的構造変換を行うのが金融買収だから、その意味では、3年後ぐらいを目処に、アメリカのメディア企業の様相は大きく変わっているかもしれない。
そうした動きに対して、ハリウッドの5大コングロムは、持株会社がいわばファンド的振る舞いをするので、PEファンドの動きにある程度ついて行かざるを得ない。
BBの普及などでアメリカは遅れた、といろいろ言われるのだけど、一気に状況がひっくり返ることも3年レンジでは十分考えられる。