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TV When -- and Where -- You Want It
【February 12, 2006: Washington Post】
テレビ映像(ビデオ)を見る方法が複数出てきたので、最近は、テレビもライブで見なくなりましたね、という、日本だったら学芸欄に載るような記事。
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パソコンでダウンロードしたり、DVDを使ったりして、映像が見れます。
パソコンだけでなく、i-Podでも映像は見れます。
だから、もはやテレビ番組って、ライブで見るものじゃないよね、という話。
一点付け加えておくと、ライブではなくても視聴可能な作りの番組が、アメリカの場合、まだ多いことも、実は影響していると思う。もっとも、そんなことは、そういうものしかまわりにない、アメリカの人には気がつけ、といっても気がつけないもののだけど。
日本は90年代の日テレ全盛期に、とにかくザッピング対策、VTR対策、として、徹底的に、ライブ視聴を喚起するようなつくりに番組が変わっていったのだけど、アメリカの番組はそんなことはなかった。古典的なスラップスティックと、ハリウッド映画には及ばないものの日本のものに比べたら遙かにシナリオにもポスプロにもお金をかけているテレビドラマ、が、プライムタイムの基本だから。そういう意味では、ケーブルチャンネルの作りの方が、日本の地上波に近かったように記憶している。
とまれ、ちょっとほほえましいのは、この記事に添付された写真。
DCの地下鉄車両内の風景。
アジア系の青年がパソコンにDVDを入れてテレビ番組シリーズを見ているのを、その後部座席から、イスラム系の父娘が覗き込んで一緒に見ている、というもの。アジア系の青年は、彼等から映像がちゃんと見えるように、体を寄せている。
ヤラセっぽい感じもするのだけど、その一方で、アメリカだとこういうこともあるな、とも思う。
譲り合いっていうほどの関係性ではなく、もっとべたな感覚で、単純にシェアする、という発想。
あ、だから、これを「ほほえましい」と形容する側には、日本人的な読み込みが生じていることになります。