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PayPal Prepares For a Challenge From Google
【February 6, 2006: Wall Street Journal】
PayPalの競合にGoogleが名乗りでる。
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AdWordsやAdSenseを使って表示される「文字広告」のリンク先にあるEコマースの購買過程の果てに生じる決済のための送金インフラの部分に、Googleが進出しようとするもの。おそらく、Amazonと真逆のルートで、Eコマースと検索連動型広告をサービスとして接続させようとしているように見える。
もちろん、同種のルートの先行者は、eBayなのだが。
eBayは、先行し決済インフラであるPayPalを買収し、同社のAuction決済に利用している。eBayは、SkypeによるVoIPもあわせて、限りなく個人間取引に近いような(少額)売買のインフラを安価に立ち上げようとしている。
これは、いわゆる、LongTailと言われるマーケットに当たる。つまり、従来だったら、市場として成立し得ない規模の取引を何とかたちあげるもの。
もちろん、オークションのような細かいモノだけを追うのでは成長に限界があるから、この安いインフラを自律的に再生産可能な状況にしてから、改めて決済金額の大きい世界(つまり、AmazonのようなベタにECの世界)に、コスト優位性を梃子にしながら進出を図るのだろう。
そう考えると、日本でもにわかにbuzz wordになってきてるLongTailも、そうした小さい部分の自発的なマーケット立ち上げの要件を与えるインフラとセットでないと厳しいのではないかと疑問に思う。つまり、LongTailというのは、シリコンバレーの技術オリエンテッド企業の掛け声として既に変質している、ということ。
けれども、日本だと決済の部分には、既にEdyとかSuicaとか、大手企業がトップダウンで普及させる動きが稼働している。そう考えると、LongTailというのは日本でどう変質していくのか。とても気になる。