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Nomination at FCC spurs look at media limits
【February 4, 2006: Financial Times】
Bush Chooses Telecom Lawyer To Fill Republican FCC Vacancy
【February 4, 2006: Washington Post】
空席だったFCCの5番目の委員として、共和党系のRobert McDowell氏を登用する方向で調整中。
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現下の共和党優位の議会、大統領府からすると、FCC委員が共和党系委員となること自体はほぼ確定的。
人物として適正か否かの審査のために、上院で公聴会が開催され、しかる後に検討がなされる。
任命されると、5人のFCC委員のうち、3人が共和党系となり、FCCの意思決定は共和党系のものに大枠では準じることになる。
首尾よくMcDowell氏の登用が議会承認された暁には、2003年に頓挫した、メディア・オーナーシップ・ルールの規制緩和が再度検討される模様。
留学中に政策関係者から聞いた話では、“Broadcast is dying.”というのが政府側の暗黙の見解なので、これを機に
改めて、放送や通信系の資本関係が大きく変わるかもしれない。アメリカの場合、テレビ以上に、新聞経営がじり貧になってきているので、オーナーシップ・ルールの変更は、テレビ・新聞・ネット、の三者を巻き込む形で、そのもそものビジネスモデル、お金の流れを変える端緒になる可能性も高い。
折しも、日本でも、竹中総務相の下で、通信・放送の見直しがなされているが、ここでは、あくまでも、通信と放送、となっている。しかし、日本のローカル局のかなりの部分が、中央紙か地方紙を問わず、大手新聞社の資本系列にあることを考えると、本来は、新聞や報道というファクターも視野に入ってきてもおかしくないはず。そうした実体を気付かせるために、改めて、アメリカのオーナーシップ・ルールを巡る政策過程が、影響を与えるかもしれない。
といっても、こうした制度変更の後に来るのは、合従連衡を具体化するためのM&Aの嵐で、これで儲かるのは、アメリカだったら、Wall Streetに拠点を持つ、少数の投資銀行となる。
ライブドアショックで、資本市場ルールの見直しも図られそうな日本の場合は、果たしてどうなるのだろう。