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データマイニングが再び注目を集める?

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January 13, 2006 22:33 jst
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Math Will Rock Your World
【JANUARY 23, 2006: BusinessWeek】

NYのWall Streetの金融商品開発を支える数学科卒の人材が、広告やマーケティングの分野の、消費者分析に向かっている、という話。

*****

しかし、全編を覆っているトーンは、データマイニングは凄い、というもので、あまり新しさは感じられない。

確かに、Wall Streetは、90年代にデリバティブ×セキュリタイゼーションが一般化する中、もっともパテント開発に依拠した産業になっている。製薬産業に続く、研究開発型の産業になった。キャッシュフローの種別に応じてリスクファクターの特徴を抽出し、それに基づいて、新たに金融商品を開発する、というのが延々続いている。2000年代に入り、与信リスクを扱うクレジット・デリバティブが大流行、という具合。こうして、金融商品を開発することで、市場の流動性を増加させ、その増加した流動性に対してまた新たな金融商品を開発し(つまり、リスクファクターを人工的に構成し)顧客を奪う、・・・、ということを繰り返している。

つまり、金融工学は、金融業界のビジネスルール、競争ルールを変えてしまった、ということ。そして、それと同じことが、データマイニング系の話でも起こる、というのが記事の背後にあるイメージだと思う。

しかし、データマイニング自体にそれだけの効力があるとはどうも思えない(この部分は、帰国後、整理してみたい。)