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マードックのネット戦略

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News Corp.'s Murdoch Details MySpace.com Plan
【January 10, 2006: Wall Street Journal】

マードックが、昨年買収したソーシャルネットワーク(SNS)サイトのMySpace.comを基軸にした、ニューズ・コープのネット戦略を発表。

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基本的な考え方は、MySpace.comの成長性をてこにしながら、(今更ながらだが)ポータル化を図るというもの。具体的には、無料ビデオダウンロード、メッセンジャー、VoIP、を提供するようだ。狙いは、ユーザーの滞在時間を長くして、広告機会を増やそうとするもの。

しかし、これは先行する、Google、Yahoo!、MSN、からみると、オールド・パラダイムに染まった、旧メディアの人の考えのように見えて仕方がない。マードック自身は、「ポータルモデルはもはや時代遅れ。これからはSNSだ。」ということのようだが、上記のようなサービス拡張はむしろポータル化に近いでしょう。

Google、Yahoo!、MSN、らは、Google AdWords, AdSense、に代表される、Relevancyに照準した、技術開発ベースの競争を展開している。これは、技術連動である分、資本市場化からの評価も高い。

これらに比べれば、いくらSNSといえども、サイトビジター数に基づいた、Impressionベースの広告販売に照準するのは、一昔前のパラダイムに見える。そして、そうしたInpressionベースの売買ができるのは、やはりビジター数1位、2位くらいのサイト。けれども、それらのサイトですら、もはや、検索連動、もしくは、Semantic WebといわれるRelevancy技術の採用なしでは、収益を最大化できない、と考えているのだから。

マードックは、やはり、新聞・テレビという旧メディアの発想から抜け出せないのか。もっとも、Foxブランドで新たにサイトをたてるのではなく、成長性の著しいSNSサイトの中で、No.1のMySpaceを買収してスタートさせているkとを見ると、全くわかっていないわけではないようなのだが。

MySpaceはSNSなので紹介登録制。現在は470万人が登録し、2005年12月のユニークビジターは320万人(ちなみに、同時期のYahoo!は1270万人)。この成長性に賭けているようだ。

ただ、日本と違って、SNS以外にも、もともと会員制組織の多いアメリカ。日本以上にコネ社会のアメリカのSNSでの出来事なので、この動きが成功しても失敗しても、日本への含意の判断は熟考を要するところ、か。