スティーヴン・コルベアがホストを務めるThe Late Show with Stephen ColbertがGoogleのおかげで番組時間を伸ばすという。
Google Will Help Stephen Colbert Cut Commercial Time From ‘Late Show’ (EXCLUSIVE)
【Variety: March 27, 2018】
といっても、やっていることは単純なことで、要はコルベアのショーのCM時間をGoogleが買い上げ、そのCMの時間の分、番組時間を増やそうとするもの。要するに、ミクロなスポンサーシップというわけだ。
他愛のないものといえば他愛のないものなのだが、ストリーミングの時代、ソーシャルメディアの時代への移行期に見られる動きの一つにも思える。GoogleはYouTubeを運営しており、そのYouTube上でThe Late Showはチャンネルをもっているのだが、その人気は上々だからだ。Googleからすれば、The Late Showの尺が伸びれば、その分YouTubeでの接触時間の増加も見込める。
この方法のもう一つ上手いところは、直接のスポンサーは、Google傘下のNestであること。つまり、傘下の2つのブランドの間で、ウィン・ウィンの関係をつくっている。Nestはブランド名をスポンサーシップという形で示され、そのスポンサーシップで得たコンテント増加分を、そのままYouTubeの視聴時間の増加に繋げられる。うまいことを考える人もいるものだ。
The Late Showを放送しているCBSは、アメリカの4大ネットワークの中では、現在、ハリウッドメジャーとの直接的な経営関係が切られており、その分、独立したテレビネットワークとして自由度の高い動きを見せている(かつてはViacom傘下にあったが、2005年にスピンオフされている)。
ストリーミングに対しても、フットワークの軽い動きを見せており、近年では、地上波で成功したドラマシリーズであるThe Good WifeのスピンオフであるThe Good Fightをストリーミングで流していたりする。実際のところ、視聴者からすれば、テレビで見ようとストリーミングで見ようとドラマはドラマであるという単純な真理にうまく対応している。最近のCBSは、その意味で注目に値する。
今回の動きも、そんなCBSだからこそ「軽く」受け入れたもののように思える。小ネタではあるが、面白い動きといえる。