Wikipediaをより賢くするWikidataプロジェクト

latest update
March 31, 2012 17:26 jst
author
junichi ikeda

Microsoftの設立者の一人であるPaul Allenらからの資金援助を受けて、Wikipediaをよりスマートにするプロジェクトが立ち上がるという。

Techies Team Up to Make Wikipedia Smarter
【Wall Street Journal: March 30, 2012】

プロジェクト名はWikidata。あるWikipediaでデータが更新された場合、世界中のWikipediaでその更新が反映されるようにするもののようだ。プロジェクト名にdataとあるように、従来はテキストから成っていたWikipediaをデータを中心のものに更新しようとするプロジェクトとされる。記事中にあるように、そうすることで、今までencyclopedia(百科事典)であったものをAlmanac(年鑑)にする。Semantic Webへの展開の一歩とするようだ。

正直なところ、これだけの情報では今後具体的にWikipediaがどうなるのか、また、どれくらいのタイミングでどの程度の変化が生じるのか、はっきりしない。とはいえ、先日起こったSOPAを巡るウェブ上の動きの際に見られたように、Wikipediaの振る舞いがウェブのあり方に一つのモメンタムを作り出すことも確かだ。ある意味でハッカー的な情報の捉え方が最も純粋に表現されているウェブサービス(ないしアプリケーション)の一つと見てもいいのだろう。であれば、今回の動きも、今後のウェブのあり方に何らかの影響を及ぼすのかもしれない。

ウェブの可能性として「協働」が取り上げられる場合、まず間違いなくWikipediaが一例として取り上げられる。その観点からも、もう少し詳細な続報を気にかけたい。