cloud-fundingによる株式発行が解禁か?

latest update
April 09, 2011 16:07 jst
author
junichi ikeda

SEC(アメリカ証券取引委員会)が、株式発行に当たって、クラウド・ファンディングを可能とする方向で、法改正を検討し始めているというWSJの記事。

SEC Boots Up for Internet Age
【Wall Street Journal: April 9, 2011】

もしも実現すれば、超小口の投資家が、比較的資本金の小さな会社の起業を直接支えることができるようになる。

クラウド・ファンディングについては、たとえば、Kickstarterのようなサイトで、主にはある活動を行うのにお金を必要とする個人が支援を呼びかけることで一般化してきた。ただし、そこでのファンドレイジングは株式取得ではなく、いわば一種の寄付のような形でお金を集める仕組みを動かしていた。実は、寄付というのも適切ではなく、Kickstarterの場合はファンドレイジングの直接の対象とした行動に関連した何かを資金拠出者に用意する、等の形で、一種の販売行為として対処してきた。

しかし、言うまでもなく、ウェブを通じて広く薄く資金拠出を訴えることは、対象が会社の株式になれば、有価証券の取引になる。それを可能としようというのが、SECが考えていることのようだ。

今のところ、本件はWSJが伝えているくらいなので、この検討が本当に起こるのかどうかは、しばらく様子を見たほうがいいことだとは思う。

だが、もしも実現すれば、スモールビジネスの起業のあり方は随分変わることになる。また、同時に、個人が小口の株主として、スモールビジネスと関わることができるようになる。お金の回り方が大きく変わることになる。

まずは続報を待ちたいと思う。