New York University(NYU)が学内に2000万ドルのVenture Capital fundを立ち上げ、R&Dからの起業を促す。
NYU Plans Tech Fund
【Wall Street Journal: June 28, 2010】
NYUはまず200万ドルを用意し、残りの1800万ドルはこれから出資者を募るようだ。ITやバイオの分野のスタータップに対して10万ドルから100万ドルの規模で出資を行う予定だという。
大学がVCを組成する動きは他所でも出ており、上の記事ではthe University of Wisconsin,やPurdue University などが紹介されている。前者は州立大学、後者は私立大学なので、公立・私立の分け隔てなく始まっていると思ってよい。
話の流れとしては、先日New York CityとColumbia University とともに参加したNYC Media Lab に対して、NYUが具体的に貢献するための手段として今回のVCが出てきたようだ。NYC Media Lab は、大学の研究機関とメディア企業やテクノロジー企業との間の協働を目指している。
NYはテクノロジーの街としては今ひとつな印象があったのだが、Web 2.0以後の、ソフトウェアが中心になった状況ではむしろNYの人的密度が上手く機能するようになってきており、たとえば、最近ではfoursquareの起業が見られたりするようになっている。NYC Media Lab はこうした動きを加速させようとするもののようだ。もちろん、New York Cityが関わっているところから、起業→成長、という流れで、NYCでの雇用を増大させようとする意図はある。
お金の回し方にしても、起業支援のあり方にしても、NY的な感じがする。NYUだけでなくNYC Media Lab も含めて今後の動きに注目したい。