AppleはSmartphone時代のMicrosoftになるのか?

latest update
May 05, 2010 22:44 jst
author
junichi ikeda

アメリカの独禁法当局であるFTCと司法省反トラスト局がAppleに対して調査を始めるようだ、と伝えるWSJの観測記事。

Apple Draws Scrutiny From Regulators
【Wall Street Journal: May 3, 2010】

iPhoneでのアプリケーションの審査などの部分で優越的地位の濫用について嫌疑がかかっているようだ。

10年ほど前、Microsoftが司法省反トラスト局と争い、危なく企業分割命令を出されるところだった。それくらいMicrosoftは圧倒的なシェアをOSで保持していたから。裏返すとAppleはシェアが下がり苦しい時期が続いていた。まさか10年経ってAppleが反トラスト法違反の嫌疑がかけられるような事態が生じるとは思わなかった。

Microsoftの訴訟については、技術革新の早さからOSでのシェアが独占的であることがそのまま市場取引に影響を与え消費者便益を損なえてしまうような事態は生じない、ということで反トラスト法違反という判決には至らなかった。したがって、Appleについても単に市場環境による推測からでは反トラスト法違反ということにはならないだろう。上の記事のように、具体的な取引関係において優越的地位の濫用に当たる事実が出てくるかどうかにかかっていると思う。

現在はまだ可能性が取り沙汰されているだけのようだ。仮に反トラスト法違反となれば、Smartphone市場の取引や産業構造について多大な影響を与えることになる。まずは、FTCならびに司法省反トラスト局の動きに注意しておこうと思う。