Oliver Williamson、ノーベル経済学賞受賞

latest update
October 14, 2009 01:00 jst
author
junichi ikeda

取引費用の経済学の研究を深めたOliver Williamsonがノーベル経済学賞を受賞した。

Two Americans Are Awarded Nobel in Economics
【New York Times: October 12, 2009】

Nobel Looks Outside Markets
【Wall Street Journal: October 13, 2009】

次のblogが各界の識者の反応をまとめている。

Economists React: Nobel Award Sends Message About Economics
【Wall Street Journal: October 12, 2009】

Work of 2009 Economics Nobel Laureates Sheds Light on Regulation
【Wall Street Journal: October 12, 2009】

総じて、規制の意義を解明した、という紹介で、昨今のReregulationの風潮を加味した評価のされ方だが、先日のオバマ大統領の平和賞受賞の後だと、むしろ、規制の意義を再度確認ししなければならない状況にあるからこそ、Williamsonらが選ばれたような印象すらある。

自然科学分野のノーベル賞に比べて、どうも政治的な意図が込められているように感じるのは仕方ないことなのだろうか。もっとも、賞、というのはそういうものなのかもしれないが。

ここのところのノーベル経済学賞は、ステイグリッツの情報の経済学、クルーグマンの地理的集中の経済学、行動経済学、それに、今回の取引費用の経済学、と、従来の経済学の修正や書き直しを図るものが続いているが、これは、実践の面でも今後尊重されることになるのだろうか。