・・・と、足下の広告不況で困っている関係者には朗報とも言えるような内容ですが。
Hanging Tough【New Yoker: April 20, 2009 】
大恐慌の頃のケロッグをとりあげたり、マッキンゼーやベインの調査結果を引用しながら、不況の時でも、いわば逆張りで、積極的に長期的意義のある分野に予算投下=投資をしたところが、不況を抜け出したとき、競争力のある企業になっている、という話。
不況の時は、視野狭窄に陥って、短期的な判断が長期的な判断を凌駕してしまう。その理由としては経済学のシカゴ学派の創始者(の一人)であるフランク・ナイトの"Risk"と"Uncertainty"の違いから説明している。
Riskは、どんなことがわかるか起こるか想像はつくが、しかし、どれが起こるかわからない。一方、Uncertaintyは、そもそも何が起こるか皆目検討がつかない。Riskの方は、事前に確率分布を与えることができるが、Uncertaintyの方は、そもそも確率分布を与えることができない、だから、判断のしようがない、というところだろうか。
不況は、体力勝負のところがあるので、後から見れば、企業の淘汰が進んで、リーディングカンパニーがますます大きくなるような事態が生じやすい。
だから、体力のあるところ(=内部留保のある会社)は、こういうときだからこそ、長期的意義のある、M&A(=スケールメリットの追求+不採算部門の整理)、R&D(=イノベーションのタネ)、広告(=消費者記憶への刷り込み)、にこそ、資金を費やすべきだ、ということのようだ。
もっとも、これはアメリカのこと。
日本(や欧州)であてはまるかどうかは、いくつか検討が必要になるのだが。