FT、サイト一新

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November 17, 2008 11:38 jst
author
junichi ikeda

イギリスの金融情報紙のFTがサイトを一新した。
とりあえず、トップページはここ

既にWSJやEconomistが変更していたのにようやく追いついた、という感じ。第一印象は他誌(他紙)と変わらない顔つきで、デザインとしては面白味にかけるが、以前のものに比べると使いやすいのは確か。以前のは、一頁にとにかく情報が多すぎて、かつ、フォントサイズも小さくて、リーダビリティは決してよくなかった。

しかし。

前にも書いたけど、日本の新聞サイトは本当に変わらない。ちなみに、FTだけではなく、欧州の主要紙も、たとえば、フランスのLe Mondeなども同じように、リーダビリティを考えたデザインになっている。というか、そもそも全文掲載だし。

そろそろ、メディア企業は、自分たちの事業がどういう経済基盤で成り立っているか、どういうお金の流れで成り立っているか、そして、ネットあるいはウェッブの誕生でその構造がどうなるのか、真剣に取り組んだ方がいいのではないだろうか。

今、非常にまずいのは、情報の流れ方の仕組みが根本的に変わろうとしているときに、また不況に入ろうとしていること。広告費が本質的にマクロ経済にリンクしたものであるのは間違いない事実なので、メディア企業単体の経営努力でどうなるものでもないのは確か。そういう時に一番怖いのは、台風一過を待つだけの、脳死状態に入ってしまうこと。ついこの間までは、景気が上向いているという公式発表にもかかわらず、広告費が伸びなかった、そのため、構造的な問題があるのだ、という認識を、少なくとも持つことはできた。そのモメンタムぐらいはどうにか残して欲しいところ。

(追記)
FTのサイトは、まだ全ての頁がデザイン一新というわけではないようで、実際の記事にとぶと、以前のテンプレートがそのまま使われている。しばらくは、サイトデザイン移行期のようだ。

とすると、逆に言うと、トップページの顔つきでだけでも変えないといけない、という力学が彼らに働いたとも解釈できる。急がなければ、という圧力が。