オバマ優勢が伝えられるものの、それが伝えられれば伝えられるほど、デモクラット支持のニュー・ヨーカーの不安は増大している、という記事。
Obama Is Up, and Fans Fear That Jinxes It
【New York Times: October 31, 2008 】
マンハッタンは伝統的にデモクラット支持の地盤。しかも、この記事で取り上げられている、マンハッタンのUpper West Sideは、ユダヤ系の高所得者やインテリ・ミドルクラスが多く住むところで、デモクラット支持がかたいところ。コロンビア大学からも近いところで、ブロードウェイ沿いはよく歩いて移動していたので、個人的にも懐かしいところ。
2004年の大統領選でも、ケリーが負けた直後の、Upper West Sideの意気消沈ぶりはなかったので、記事が伝える、彼らの不安は想像可能だ。
しかも、彼らニューヨーカーからすると、大統領選の雌雄が決するのは、カリフォルニアでもニューヨークでもテキサスでもなく、オハイオやフロリダ、今年は場合によるヴァージニアであったりすると、全くもう手の届かないところ。いてもたってもいられない、という感じだと思う。
記事中興味深いのは、心理カウンセラーへのコメントがあって、彼・彼女らのクライアントである、デモクラット支持のニューヨーカーが、我がことのように、この大統領選の悪夢の可能性に苛まされている、と訴えているところ。全くの門外漢だったら、これは苦笑せざるを得ないところだが、当人たちはいたってマジメに、本当に憂鬱になってしまう。笑い事ではない。
とはいえ、彼らの憂鬱も残すところ、四日ほどでとにもかくにも解放される。
集団的な憂鬱はボディブローのように社会=共同体を蝕むから。
願わくば、よき方向で彼らの憂鬱が解放されんことを。