内容はどうでもいいのだけど、
WSJのPage One (いわゆる一面)扱いで、これ。
Popular Cartoon Series Makes Japanese Shrine a Magnet for Fans
昨年ブームになった「らき☆すた」の中で登場する神社のモデルになった、埼玉の鷲宮神社の紹介。加えて、その神社で「らき☆すた」のキャラクター(女子)のコスプレをする男子の紹介。
(同じPage Oneには、GMやフォードがサブプライム問題で受けた経営問題であるとか、WTOのドーハラウンドがどうもうまくいかない、といって記事が掲げられている。こうした記事と上の「らき☆すた」の記事が同列に扱われていることになる)。
いやー、こういう記事そのものを否定はしないけど、一応、福田内閣の改造とか言ってるときだよね。クールジャパンのあおりなのかもしれないけど、タイミングとしてどうなのかな。
ここのところ、WSJで取り上げられている日本のことは、消費者物価指数が上がったとか、基本的にはマクロ経済指標についてなんだけど、その他に紹介されるのが、「らき☆すた」っていうのはね。
マジメに日本のこと、バランスよく伝えるプロジェクトとかたちあげないと、日本政府も日本の大企業もまずいんじゃないかな。このままだと、内外での印象のギャップって、日本については、どんどん乖離していくように感じる。
内閣改造の方が重要だと無前提で言うつもりもないし、アニメの報道が悪いともいわない。むしろ、「らき☆すた」のようなU局系のアニメは、ニコ動やYouTubeのようなビデオサイトを通じて、世界中でほぼ同時に消費されるし、たとえば、OPやEDのタイアップソングなど、下手な現地プロモーションよりもはるかに有効なプロモーションにもなって、ある意味、インターネット時代というか世界中がブロードバンド時代に突入したときの流通や消費の在り方を先取りしている。だから、個人的には、こうした現象自体には肯定的な立場なのだけど。
それでも、記事として書かれる際には、
タイミングやバランスへの配慮が必要な気がするのです。
世間で思われてるほど、記者という職業は公平でもなければ博識でもないのが実情だから(特に人数が少なかったり、キャリアが偏る海外メディア系)、むしろ、記事のネタを適宜(つまりタイミングよくバランスよく)提供していく、というのも手のハズなのですが。
安倍内閣以降政府と財界のコンセンサスになった、国際市場に出て行く、という目標があるのなら、こうした(日本でいう)広報活動も、相手(国や人々)の様子を伺いながら考えていってもいいタイミングではないかと思う。ちょうどIRが、欧米のIRのテンプレートに沿って、過去5年間ほどの間に、あっという間に、標準的な活動になったように。