さて、3月4日の予備選だが、ヒラリーが粘った。
オハイオ、ロードアイランドをきちんと勝利し、テキサスもプライマリー(予備選)については僅差ながら勝利。現在、テキサスのコーカスの結果が開票されている最中。今のところ、オバマがリードしている。今回、オバマは、バーモントの勝利にとどまった。
というわけで、デモクラットの候補者選びははこのまま何もなければ、7週間先の4月下旬のペンシルベニアのプライマリーで改めて民意を問う、ということになる。
ただ、候補者選定に必要なdelegateの獲得数については、ヒラリーがオバマをひっくり返すことはほぼ不可能な状況になったので(負けたとはいえ、オバマはオハイオ、テキサスともに善戦、特にテキサスはほぼドローといっていいと思う)、今後、デモクラットの中で様々な力学が働くように思う。
というのも、GOPはマッケインがdelegateの獲得数で必要数に達したため、事実上、大統領候補になったたま、今日から11月の本選(General Election)に向けた活動を開始すると宣言しているため。先日のエントリーにも書いたとおり、このまま、デモクラットの候補者同士で中傷合戦をしても、マッケインに有利になるだけのこと。
だから、実際には、誰がヒラリーを説得するのか、ということになる。
3月8日はワイオミングのプライマリーがあるので、この前後がそのタイミング、ということになりそうだ。
しかし、ヒラリー、粘る。
それに、マッケインが本当に本選に出てくるのか。
以前書いたかもしれないけど、マッケインは、この間ロビイストとの疑惑が出てきたように、上院ではもっぱらアメリカの情報通信政策を担当していて、たとえば、もう10年前ぐらいになるけれども、当時通信産業の国際的な自由化を進めていく中で、「通信産業の次は放送産業だ」と言っていた人。今はそうした政策の細部にまで至っていないけど、おいおいこの点も気にしていきたい。
端的に言って、これだけインターネット経由で音楽や映像が国境を越えて(テクニカルには)視聴可能になっている時代に、放送の自由化、なんてことが意味あるのかどうか、ということになると思う。
ただ、アメリカの景気後退を受けて、(基本的には弱者救済の立場を取る)デモクラットの候補が二人ともNAFTAのような自由貿易協定(要するに国家間の自由な商業活動を政府が保証するもの)について疑問を呈するようになっていることもあって、GOPとしてはむしろグローバリゼーションの果実を取る方向を選択せざるを得ないだろうから、もしかすると、放送(に限らずサービス産業全般)についても、自由化、というテーマが浮上してくるかもしれない。
(もっとも、NYの金融業界の支援を受けているヒラリーは、どこかでNAFTAはokということになるとは思うのだけど。)
いずれにしても、本選になれば、経済政策は確実に争点になっていくはず。この点は注目していきたい。