【December 11, 2006: Business 2.0】
件のCBSとYouTubeの関係に関するコメント。
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YouTubeはスタータップに過ぎず、確立されたビジネスモデルもないから、放っておけば遠からず金詰まりになって終わりだろう、と高をくくっていたのが、アメリカのメディア企業。
ところが、10月にGoogleがYouTubeを買収してから、どうも雲行きが変わってきた。
おもむろに著作権訴訟をちらつかせたり、自分たちでYouTubeの対抗馬を作ろうとしたり。
ただ、その一方で、CBSはうまいこと、YouTubeを手名付けはじめているよ、というのが上の記事。
とまれ、状況は音楽配信の時と似てきている:
●ユーザーの支持を集めた独立系サイトの登場(Napster/YouTube)
●コンテントオーナーの対抗サイトの設置
●コンテント企業を少しでもてなづけた技術企業のスタンダード化(i-Tune/Google?)
というステップ。
事前協議で業界がそろって意思決定をするということは、アメリカの場合、滅多に起こらないから、大体、いつもこんな感じで事態は進む。つまり、予選段階としてのバトルロイヤルを経て、頭一歩抜けたところが、業界標準を作りながら大きくなっていく、というもの。
CBS/YouTubeの動きは、初期のi-Tuneのような動きになるのかもしれない。
それで、この話のポイントは、技術の善し悪しの問題というよりも、いかにして(ユーザーの支持を受けながら)ポピュラリティを確保してスタンダードになるかという問題だということ。
つまり、ビジネスゲームというよりは、もっとポリティカルなゲームに近くて、いかに布陣を形成して、戦わずして勝つ(相手の自発的な降伏をさそう)か、というゲームであること。
だから、プレイヤーの配置が異なる日本だとこうした動きになるとは限らない。
今までの観察結果からすると、音楽配信の場合、日本ではi-Tuneではなく、着うたが定着?したことを考えると、事前協議型、事前調整型の市場布置が日本の場合、多いといえる。
そろそろ、日本の映像配信がどういうプロセスで動くか見通すべき頃合いかな。
もちろん、腹案はいくつかあるのですが。