BitTorrent Signs Licensing Deals With Viacom, News Corp.
【November 29, 2006: Wall Street Journal】
Film industry bows to BitTorrent
【November 30, 2006: Financial Times】
ビデオのP2PサービスであるBitTorrentが、バイアコムとニューズ・コープとライセンス契約を結んだ、という記事。
これは、結構驚き!
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映像版のNapsterのようにハリウッドからバッシングされる可能性はあったのだけど、BitTorrentは早くから正規のライセンス契約を試みてきた。先行してタイム・ワーナーらともライセンス契約を結んでいた。
BitTorrent型の配布形態だと、P2P形式を取るため、トラフィックがサーバーに集まってダウンするといった事態が避けられる。日本では光ファイバがADSLを凌駕し始めているけど、これは他国ではかなり稀なこと。もっとも、光ファイバの売り文句がIP電話の光電話、というのもひどい話だけれど。
BitTorrentのような分散型のファイル配布は、ネットにつながれた任意のPCがちょっとだけサーバーの役割もする、いわゆる分散コンピューティングの具現化の一形態。
たとえば、BBCなど、回線の太さによらず、イギリス国民に均等なサービスを提供しうる可能性を追求するために、ぶP2P型のネット配信を検討してきた。ゴールに合わせてツールを選択できるのがイギリスの強いところ。
それはさておき、注目すべきは、バイアコムとニューズがP2Pでもいいから、ビデオ配信の到達率を早期に高めて、ユーザー獲得を優先しようという方向に関心を寄せていることだろう。要するに、彼らも本気だということが、この記事の一番の含意だ。
それから、ライセンス契約をした企業の中に、Kadokawa Pictures USAがあるのもおもしろい。角川は、日本のアニメのアメリカでの頒布を行っているので、アニメのダウンロードサービスも行うのだろう。確かに、ビデオシェアリングサイトで日本のアニメが英語やらスペイン語やらの字幕付きでアップされていることが多いから、ディストリビューションの仕方として考えているのだろう。これも面白い話。コンテント屋さんが本格的にネットを利用するフェーズに入っているということ。ただし、アメリカでは、だけど。