Defying the Odds, Hedge Funds Bet Billions on Movies
【April 29, 2006: Wall Street Journal】
ハリウッドにヘッジファンドやPEファンドからの資金流入が顕著になってきた。
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投資銀行筋からすると、ハリウッド映画への投資は従来水物として扱われてきた。つまり、リターンが全く読めず、容易に博打に堕してしまう、という判断から、敬遠されてきた。
ところが、最近のシミュレーション技術の進化もあって、例えば、ドイチェ・バンクやメリルリンチのような投資銀行や、ヘッジファンド、PEファンドが、ハリウッドに資金を注入するようになってきた。ポートフォリオとして複数の案件に投資し、さらに、複数のファンドを立ち上げることで、分散投資によるリスク管理を実行するという。
投資先としては、せいぜいモデストということで大儲けにはならないようだが、株式や債券の動きとは連動しなかったり、あるいは、景気とも直接連動しにくい、という判断から、ポートフォリオ全体として見ると資するところあり、という判断のようだ。いわゆるオルタナティブ投資として、不動産やエマージング・マーケット、VCやPEへの投資があるのと同じ理屈のようだ。
さて。
投資テクノロジーの進化は、投資先の領野を拡大する方向にあるということ。これは、日本でもっぱら「振興」対象として、力業でも資金を調達しようとしている「コンテンツ」分野と、どういう関係になるのか。アメリカでは、ITの進展にかこつけて特段にコンテンツ振興などと言わずとも、上記のような動きが、ある意味「自然」な投資判断として出てくるわけだが、日本の場合、そもそもオルタナティブに向かう前に、普通の株式や債券などの有価証券の売買で十全な流動性が確保されているのか。
アップルのスティーブ・ジョブズがディズニーのボードメンバーになるように、ビジネス的合理性の観点から、ITとコンテンツをクロスオーバーさせるような動きが生じているわけだが、こうした動きは日本であるとどこで生じるのか。
ブロバンの方向性としては、まだまだ考えないといけないことは多い。