U.S. Lags Behind in High-Speed Internet Access
【April 12, 2006: Wall Street Journal】
OECD発表の各国のブロードバンド配備状況で、米国は12位。
ちなみに、日本は11位。トップは相変わらず、アイスランド。
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住民100人あたりのブロードバンド利用者数(だから、大体普及率、と呼んでもいいとは思うだけど)は、2005年12月末現在でいかの通りだそうだ。
アイスランド 26.7
韓国 25.4
オランダ 25.3
スイス 23.1
フィンランド 22.5
ノルウェー 21.9
カナダ 21.0
スウェーデン 20.3ベルギー 18.3
日本 17.6
アメリカ 16.8
この手の統計は、小国がどうしても有利になる。アイスランドは人口20数万程度のはず。で、毎年トップに位置している。中盤は、欧州の小国や北欧諸国が目立つ。
逆に言うと、西欧の大国である、フランス、ドイツ、イギリスはここまでにランクインしていないわけだから、アメリカはそれほど悲観的に捉えるべきではないと思うのだけど。利用可能者数でみれば、アメリカ、日本の順になるはず。数は経済規模、産業規模に直接反映されるから、日本から見れば、BBでアメリカは遅れている、というわけにもそろそろいかなくなっているように思う。
(もちろん、何を持ってBBと見なすか、というのは各国各様なので、国際比較には常に注意が必要なことは付記しておく)。
そう思うと、日本のBB政策には、少しばかり疑問を感じる。
絶対数ではアメリカには叶わないはずだから、本当は、アプリケーションのレイヤーで差をつける方向に向かうべきところなのに、議論の中心は、光ファイバをどうやって配備するかになっている。光ファイバの敷設が目的化しているのは、僕が学生の頃からNTTの人々が言ってきたことだから、80年代半ばから変わらない。悲願というか、ロマンというか、とにかく光ファイバはそういう、神々しい対象に置かれているところはある。
けれども、本当は、音楽配信だったり、映像配信だったり、あるいは、そうした動作に広告的アプリケーションを組み合わせたり、ということになぜかならない。たとえば、常々不思議なのだけれど、どうして、NECも富士通も、あるいは東芝も、日本語変換のソフトとか開発しないのだろう。いまだにジャストシステムとマイクロソフトしかない、というのは、もう、日本のパソコンベンダーは、ソフトウェア開発はしない、ということになったのだろうか、と疑問に思ってしまう。
だから、「通信と放送の在り方に関する懇談会」のようなものがスタートせざるを得ないのかもしれないが。ちなみに、昔見た資料では、日本の技術特許数は、アメリカに次いで二番目であったはず。それに、コロンビア大学にいたときに感じたことは、日本人の論文って理科系のものしか世界では採用されない、という事実。
何か、とてももったいないことをしているのではないだろうか。