スーパーボウルの御利益

latest update
February 05, 2006 08:36 jst
author
junichi ikeda

Heavyweights Team Up For Sunday's Big Game
【February 3, 2006: Wall Street Journal】

初めてスーパーボウルに広告を打ったら、1年経って売上が2倍以上に伸びたEmerald Nutsの紹介。

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ちなみにこのEmerald Nuts、スーパーボウルの出稿に、年間広告予算の5分の1を投下した。結果的にはペイしたことになる。

とはいえ、これはいろいろと考えさせられる。

●素朴に、スーパーボウルは、どうしてここまですごいのか。

●事実としては、スーパーボウルが確かにすごい、ということになるが、その他の広告は、そういう意味では効いているのか?

●そもそもEmerald Nutsのような、決して大きくはない会社(だからこそ、彼等にとって見れば賭けだったわけだが)がどうやってそんなビッグ・イベントに出稿できたのか?

さしあたっての推測としては:

まず、スーパーボウルがすごい、というよりは、他のテレビ(+ケーブル)広告が相対的にはインパクトに欠けてきているであろうということ。100チャンネルを超える多チャンネル状況だと視聴分散はやはり激しい。前にも書いたように、スーパーボウルの熱狂ぶりは、実際に住んでみると、かなりのもの。大体、一族郎党が集まって、みんなでテレビを見るなんて状況がそこかしこにおこるぐらい。日本と違って、テレビを「斜に構えて見る」というのが、アメリカだと少ないから、こんなにベタにイベント化するわけだけど。

それから、ナッツ・メーカーのような会社が枠を取れる、というのは単純に単発イベントだからだろう。それにしても大資本の重厚長大メーカーやエスタブリッシュメントが広告主として上位に位置している状況からすれば、やはり驚く。これは、シンプルにいえば金がものを言う、ということ。こういうところは、市場へのアプローチの公正性とかいうタームで、一応はくくってしまってもいいところかもしれない。