Ads Reach for 'Reality'
【December 21, 2005; Wall Street Journal】
リアリティTVタッチのCMが今年は増えたね、とする2005年の広告を総括した記事。
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いずれもアメリカンテイスト。
でも、とてもリアリティTVって言葉だけで説明しきれない内容だけど。
バドワイザーを売ってるAnheuser-Busch Cos.は、空港で帰還兵を拍手しながら、スタンディング・オベイションで迎えるCM。
こういうのは、
そもそもイラク占領の問題に対して賛成・反対の議論が公にある、という討議アリーナがあって、
そこで、賛成したいと思う共和党系の団体がたくさんあり、
そうした共和党を支持した方が特、という企業があり、
さらに、CMという民間の枠を通じて、政府支持をついでにだしてしまおう、
っていう枠組がないと、CMとしては成立しないよね。
互いの信念の啓蒙が、常に言説の戦いになっているところでないと、大体、こういう内容が広告という機能と両立しない。
多分、日本だったら、表現的に同種のものは、行動啓蒙系のエコCM当たりがそうだと思うのだけど(典型は、東電が鈴木京香を使っているものあたり)、右も左も討議場がない日本だと、一方的な啓蒙CMになってしまって、結構キモイ。エネルギー使い切って何が悪い!石油じゃんじゃん使え!って、エネオスあたりがカウンターを出してくれたら、もっとパフォーマティブな要素が増えると思うんだけど、それなしだとねぇ。ただの、元サヨクっぽい、学級委員とか生活指導の先生みたいなトーンになって(ま、だから、鈴木京香なんだろうけど)、討議にならないから、結局、人々の行動を変える、っていう広告の醍醐味はなくなるよね。
しかし、CM映像もこうやって引用されてブロバンで見ることができる時代に既になっているってことにも、要注意だな。